行動修正と行動強化の関係性2

前回の内容は、行動修正を行う前に行動強化を行うことで修正の成功率が高くなる話をしました。では今回は、なぜ先に行動強化を行うことで、行動修正がうまく行くのかを実践的に解説していきます。

あなたの愛犬は、アイコンタクトがとても上手だとします。あなたが愛犬の名前を呼んで「Look!」と言うと愛犬はとてもうれしそうにあなたの顔を見てくれます。そうです!このアイコンタクトを利用して散歩中のリードの引きを弱めていくのです。

犬が散歩中リードを引くのには色々な理由があります。いつも言っている公園へ早く行きたい。仲良しのワンコに早く会いたい。とりあえず、新しいにおい(他の犬のオシッコ臭)を確認したい。ただただ、走りたい。時には、外の騒音が怖いため逃げる気持ちでリードを引いてしまうなど、直接その犬に聞いてみないと分からないくらい、犬がリードを引く理由は様々です。


リードを引く理由が色々あったとしても、あなたの「Look」のコマンドが何よりも一番魅力的であれば、愛犬はリードを引く前にあなたの顔を見るようになります。「そんな、簡単にはいかないよ!」とツッコミが聞こえてきそうですが、
もちろん、普通レベルのアイコンタクトではリードの引きが弱まるわけではありません。

ここで想像してみて下さい。もしも、あなたの愛犬がまだ仔犬だったとします。お家の中では毎日の様にとても楽しいアイコンタクトの練習があり、愛犬はあなたの顔を見るたびに幸せなことが起こると認識しています。そしてお散歩デビューの日、あなたは歩きながら「Look」を連発し、愛犬はあなたの顔を見るたびにたくさん褒められて美味しいおやつがもらえるとします。こんな状況下でも、愛犬はあなたを無視してリードを引き続けると思いますか?


犬は目の前に起こった事例や思いついたことをたった一つだけ選び行動に移します。前述の「早く公園へ行きたい」「仲良しワンコに会いたい」と言う気持ちよりもあなたの「Look」がより魅力的で愛犬が必ず一番に選んでくれる事例ならば、愛犬はきっとあなたのコマンドを優先するはずです。だからこそ、愛犬にとって最高のそして何よりも代えがたいコマンドが「Look」であれば、リードを引く理由がなくなるのです。

ちなみに、本文は行動修正と行動強化の関連性を説明する文章なので、リードの引きを弱化させる具体的な練習方法は、改めて解説します。

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