犬の無駄吠えって、本当に無駄?

前回からの続編になります。
前回は、犬の問題行動は犬の問題ではなく、ドッグオーナーさん自身の問題です!と言う話をしました。

今回は、「犬の無駄吠え」について話をしていきます。

犬に口と書いて「吠える」まさに、犬は吠える動物なのです。そんな事、言われなくたって分かっているよ!と言う声が聞こえてきそうですが、実際に私もとへ来るトレーニング依頼の30~40%が愛犬の吠えに関する相談です。

「犬は吠える動物」そうは分かっているのに、なぜ愛犬の吠えでトレーニング依頼が多く来るのでしょう。答えは簡単です。ドッグオーナーさんがコントロールできないくらい愛犬が吠えてしまうからなのです。


犬は吠える動物と分かっていても、愛犬の吠えで悩むドッグオーナーさんはたくさんいます。当たり前のことですが、あなたの愛犬は昨日今日、突然吠え出したわけではありません。

少なくとも、数か月または数年前から既に吠えていたのです。その時はきっと、愛犬の吠えが気にならない程度だったり、または何かしらのサインや音を出すと、何となく吠えが止んだような気がして、多分、長い間愛犬の吠えと真剣に向き合ってこなかった可能性があります。

さて、ここで本題に戻ります。犬は本当に無駄に吠えているのでしょうか?

私の見解は、「NO!」です。犬を含め多くの動物は、基本的には無駄なことはしません。自然界であれば、無駄な動きは空腹を生み、また外敵に自分の存在を知らしめ、危険な状況を生み出します。多分、地球上で「無駄」なことをするのは人間だけかも知れませんね。「無駄使い」や「無駄話」など、あなたも心当たりがあるのでは?

では、人は何どうして犬に対して「無駄吠え」と言うのでしょうか。それは、自分でコントロールできない吠えが発生したときに、全ての原因を犬のせいにしているからです。それでは、あまりにも犬が可哀そうです。絶対的に不公平な解釈です。


普段の生活の中でよくある事例を紹介します。ある日、宅配の人が来て、ピンポ~ンとチャイムを鳴らします。その瞬間、あなたの愛犬はけたたましく吠え始めます。あなたは愛犬に向かって「NO! 静かに!」と言い続けます。

しかし、愛犬は一向に吠えを止める気配はありません。ましてや、宅配の人が玄関口まで来て、再度、チャイムを鳴らすと、愛犬は更に吠えを強めます。「No! 静かに!」とあなたが叫んでも、愛犬は吠えを決して止めません。この状況を、多くのドッグオーナーさんは「無駄吠え」と表現します。


ちょっと待った~!私が犬の立場になって代弁します。愛犬が吠えた理由は、ピンポ~ンの音で興奮のスイッチが入り、誰か知らない敵が来ると勘違いしたのです。そして、インターフォンから聞こえる知らない人の声。ドッグオーナーさんは受け取り用の認印を探すのに慌ててドタバタ。愛犬にしてみれば、何か緊急事態でも起こったような気になります。

そして、ここからがピンポ~ンに対して吠えを強くしてしまう本当の理由です。


宅配の人は玄関先まで来て、荷物を渡し受け取りのはんこやサインをもらうと直ぐに居なくなります。この時犬は、自分がたくさん吠えた結果、誰か知らない敵(宅配の人)を追い払ったと勘違いをするのです。犬にしてみれば、良い仕事をした、という事になります。


あなたにとっては、「無駄吠え」と感じるかも知れませんが、愛犬にとっては愛犬は決して無駄に吠え続けていたのではなく、敵を追い払うまでの間、あなたや家族を守ろうとして死ぬ気で吠えまくっていたのです。だから、いくらあなたが「NO! 静かに!」と叫んでも、任務遂行のため吠えを途中で止める訳には行かなかったのです。

それでもまだ、愛犬の吠えを無駄吠えと言うか言わないかは、あなた次第です!

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