2、「要求の吠え」の弱化トレーニング(中級編)

要求吠えの弱化トレーニング方法は、4つの中で一番シンプルです。ただ状況によっては、改善までに少し時間がかかる場合がありますのでその点はご理解を。

愛犬のご飯の用意を始めると、「ワンワン、ワンワン」と吠える。お散歩の準備を始めると、「ワン、ワン、ワン」と吠え続ける。「ねえ、ご飯? 早くちょうだい!」「わーい、大好きなお散歩に行ける!」と、愛犬はあなたに抑えきれない気持ちを伝えようとして吠えます。こんな時、あなたは愛犬に対してどんな反応をしますか?


「わかった、わかった。今、ご飯の用意をするから静かに待ってて」「お散歩、うれしいの?今日、どこの公園へ行こうか? いい子にしててね」など、愛犬の吠えに対して声を掛けていませんか? 愛犬の気持ちを理解したあなたは、返事をすることで愛犬をなだめようとしていませんか?

しかし!この返事が大きな問題です。愛犬は当然、あなたの発する「静かに待ってて」や「いい子にしててね」の意味は理解できません。愛犬に対するあなたの反応は、むしろ愛犬の吠えを煽っている状態になります。


では、どうやって「要求吠え」の弱化トレーニングを実行すれば良いのでしょうか。

答えは簡単です。吠えを無視する事です。出来れば、完全無視です。とは言っても、愛犬の要求吠えが既に癖になっていたら、無視をしても愛犬は吠え続けてしまうかも知れません。

では、具体的なトレーニング方法を説明していきます。

トレーニング1
愛犬が要求吠えを始めたら、今あなたが行っている作業を一旦止める。ご飯の用意をしていたら途中で止め、散歩の準備をしていたら一旦止めてリビングに戻る。


トレーニング2
可能な限り、愛犬が吠え止むまでしばらくの間、無視をし続ける


トレーニング3
愛犬の吠えが止んだら作業を再開するが、また愛犬が吠え始めたら、再び作業を中断する。


<ここまでのトレーニングをする上での注意点>

トレーニング1~3を繰り返しても、最初の頃はあまり効果が見られないかも知れません。しかし、あきらめないで!この練習は、愛犬へのトレーニングではなく、あなたの愛犬を勘違いさせる行動の修正で、いきなり愛犬の吠えの弱化を期待するものではありません。

トレーニング4
ご飯の準備や散歩の用意など、愛犬が要求吠えをする状況で、必ず、「Stay」のコマンドを出してください。「Stay」の練習は、とにかく常日頃から色々な状況において練習を重ねておいて下さい。出来れば、「Down/Stay」が望ましいです。


トレーニング5
「Stay」のコマンドに反応するようになり、愛犬の吠えが若干でも弱まったりほんの少しの間でも吠え止んだら、たくさん褒めてご飯をあげたり散歩に連れ出したりして下さい。


トレーニング1~3を行っている最中、愛犬の吠えが止まない場合、「いつご飯をあげればよいの?」「どのタイミングで散歩に連れ出せばよいの?」と言う疑問が湧いてくると思います。

そこで!<NY流テクニック!>

ご飯の用意も散歩の準備も、出来れば30分以上前に事前に済ませておくことで、トレーニング5の練習が実行しやすくなり、1~3のタイミングも取りやすくなります。

この弱化トレーニングは焦りは禁物です。愛犬の日々の要求の吠えを注意深く聞き、吠えが弱化していることを確認しながら行ってください。

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