犬の行動修正と行動強化の関係性1

行動修正を行う前に、行動強化を行う

犬の行動を修正または改善する場合、多くのドッグオーナーさんは、その犬の不適切と思われる行動ばかりに目をやり、強引にでも行動を変えようとします。しかし、この方法でうまく行ったとしても、一時的に犬の行動は改善されたかの様に見えますが、根本の部分が変わっていないため、直ぐに不適切な行動に逆戻りする場合が多くみられます。

犬の行動修正を成功させるためには、不適切と思われる行動ばかりに目を向けるのではなく、我々にとって適切な行動を犬自身が選んでくれるようになれば、自然と不適切な行動は減り、適切な行動が増えていきます。結果、犬の行動修正がなされるわけです。


例えば、あなたの愛犬はお散歩中リードを強く引くとします。行動修正としての 悪い事例は、愛犬がリードを引く度にあなた自身もリードを引き戻す。また愛犬がリードを引くとあなたも引き戻す。こんな事を繰り返し行っていると、犬はやがて力いっぱいリードを引く癖がついてしまいます。まるで、リードを強く引く練習をしているようなものです。ごく稀に、オーナーさんがリードを引き返すことが犬にとっての嫌悪刺激となりリードを引かなくなる場合もあります。しかしこの状態では、愛犬がお散歩嫌いになってしまう可能性もあります。


ではここで、リードの引きを改善するための、正しい行動修正のプロセスを説明していきましょう。先ずあなたは、愛犬の不適切な行動に目を向ける前に、愛犬の適切な行動または得意な行動をたくさんピックアップすることから始めます。「SITができる」「Downができる」「アイコンタクトもできる」「名前を呼んだら直ぐに来る」など、あなたの愛犬はたくさんの好ましい行動が取れるはずです。

SITができる愛犬であれば、SITがもっと上手になるように練習していきましょう。そう、最初に行動の強化を行う事が行動修正の成功のカギとなるのです。方法は簡単です。いつもの様に、愛犬に「SIT」のコマンドを出し、目の前でSITが出来たら今までの3倍いや5倍くらいうれしそうに褒めてあげます。あなたの前で愛犬が初めてSITをした時の感動、覚えていますよね。その時くらい、あなた自身が喜んで愛犬を褒めてあげて下さい。そして、普段はあげない少し上等なおやつを少しだけあげて下さい。


多分、SITはもうできるからと言って、愛犬にはご飯やおやつをあげる前に、たいくつなルール的なコマンドでSITをさせているオーナーさんも多いのではないでしょうか。それでは行動の強化にはなりません!愛犬がSITのコマンドでオスワリが出来たら、毎回初めてのSITの時の様に時には大げさに褒めてあげて下さい。これを毎日、時間がある時には何回でもやってみましょう。そうすると、愛犬はあなたのSITのコマンドを今か今かと心待ちにして、ワクワクしながらあなたとのコミュニケーションを楽しむようになります。


そう!これが愛犬の行動の強化なのです。SITだけではなく、アイコンタクトやDOWN、場合によっては、SIT&STAYなど、愛犬が既に理解しているコマンドに、もう一度磨きをかけてみて下さい。

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